志望校別対策

阪大理学部の合格最低点推移と比較考察(2008-2019大阪大学理学部)

大阪大学理学部における各学科の合格最低点(得点率)はどのように推移しているか、まとめました。それぞれの学科における最低点の推移を比較し、データから見えてくるものを考察します。(合格最低点のこれまでの平均、標準偏差、最低点学科の回数、グラフなど。)
統計的に阪大理学部の合格最低点推移を考察し、入りやすい学科も検証します。

Contents

大阪大・理)合格最低点の推移

大阪大学理学部における4学科【物理学科、数学科、化学科、生物科学科(生物科学コースor生命理学コース)】の合格最低点の推移を検証します。

合格最低点推移(2008から2019年度)

(表1)大阪大理学部(各学科)の合格最低点の推移(2008~2019年度)
年度 数学 物理学 化学 生物科
生物科学
生物科
生命理学
最低点
学科
2008 589.65 572.80 585.45 593.85 567.90 生物・理
2009 511.90 507.95 520.75 523.05 526.65 物理
2010 527.75 522.15 532.60 564.80 512.95 生物・理
2011 489.95 482.95 487.40 497.15 498.45 物理
2012 543.40 558.60 532.95 550.70 503.30 生物・理
2013 458.80 475.75 454.10 469.55 443.53 生物・理
2014 502.20 472.50 463.50 480.00 438.35 生物・理
2015 498.05 491.70 502.00 521.50 473.10 生物・理
2016 511.65 509.25 519.75 554.00 493.35 生物・理
2017 570.30 563.50 572.20 586.65 535.00 生物・理
2018 574.90 567.50 573.50 580.25 563.95 生物・理
2019 577.85 567.25 578.20 611.15 574.10 生物・理

2008年度~2016年度:センター試験250点満点+個別学力試験700点満点(合計950点)
2017年度以降:センター試験300点満点+個別学力試験700点満点(合計1000点)




黄色で示した部分がその年の理学部における合格最低点学科です。
生物科学科・生命理学コースが10回で、物理学科が2回と言う結果になります。
(2008~2019年度)

2017年度からは総合得点が1000点満点に変更されているので注意して下さい。

得点率(%)で換算

合格最低点をわかりやすく得点率(%)で表します。

(表2)大阪大理学部(各学科)の合格最低得点率(%)の推移(2008~2019年度)
年度 数学 物理学 化学 生物科
生物科学
生物科
生命理学
最低点
学科
2008 62.1 60.3 61.6 62.5 59.8 生物・理
2009 53.9 53.5 54.8 55.1 55.4 物理
2010 55.6 55.0 56.1 59.5 54.0 生物・理
2011 51.6 50.8 51.3 52.3 52.5 物理
2012 57.2 58.8 56.1 58.0 53.0 生物・理
2013 48.3 50.1 47.8 49.4 46.7 生物・理
2014 52.9 49.7 48.8 50.5 46.1 生物・理
2015 52.4 51.8 52.8 54.9 49.8 生物・理
2016 53.9 53.6 54.7 58.3 51.9 生物・理
2017 57.0 56.4 57.2 58.7 53.5 生物・理
2018 57.5 56.8 57.4 58.0 56.4 生物・理
2019 57.8 56.7 57.8 61.1 57.4 生物・理
平均 55.0 54.4 54.7 56.5 53.0 生物・理
標準偏差 3.5 3.3 3.8 3.9 3.9

単位:得点率(%)

阪大理学部の合格最低点(得点率)の平均値はおよそ55%前後で、標準偏差は4~5%となっています。つまり、仮に平均値(μ)を55%、標準偏差(σ)を5%とすると、阪大理学部には65%得点できれば97.73%の確率で合格できることになります。(正規分布を仮定。)

実際には第二志望も書くでしょうから、ほぼ100%合格できます。
(すみません、より正確にはt分布で計算するべきでしたね。また書き直します。2020/03/08)



推移グラフ

(グラフ1)大阪大理学部(各学科)の合格最低得点率(%)の推移グラフ(2008~2019年度)

学部における合格最低点の得点率換算(2008~2019年度)
2013年から2014年辺りの合格最低点が異常に低いことが分かります。
過去3年は最低得点率60%付近まで持ち直しています。
恐らく、センター試験傾斜に数学・理科を組み込み300点満点にしたことが、競争率アップに貢献しているのだと思います。

統計的に最も入りやすい学科は?

生物科学科・生命理学コース

統計的にみて、阪大理学部において最も入りやすい学科は【生物学科生命理学コース】です。他学科と比較し、最低点だった回数が9回と断トツに多く、最低得点率も平均53.8%と他学科よりも約1.5~3.5%も低くなっています。

理科の選択科目が原因か?

なぜここまで顕著な差があるのでしょうか?
生命理学コースは定員が25名しかおらず決して広き門ではありません。
合格最低点がここまで低い理由として、当サイトでは理科の選択科目が影響していると推測しています。というのも、生命理学コースでは物理・化学選択が必須となっており、生物系の学科にも関わらず生物選択者が受験できないのです。

通常、高校で物理を選択する人で生物に興味がある人は稀です。
仮に生物に興味があったとしても、優先度としては就職でつぶしが効き待遇も良いとされる『医学部医学科』や『薬学部』へ進学を希望する人が多いと予想されます。
加えて、阪大なら生物好きの物理選択者であったも基礎工学部システム科学科などの生物系の研究を行っている学科があり、就職先も多いです。

生物学にも興味のある物理選択者は第二志望に生物学科・生命理学コースを志望するのも良いと思いますよ。