志望校別対策

【合格最低点】阪大工学部vs阪大基礎工学部(2008年~データ考察)

阪大には工学部基礎工学部という2つの工学部があります。
分野的に近い領域も存在するなど、受験生にとってはどちらの学部も気になる存在。
一般的に工学部と基礎工学部では難易度に隔年現象があると言われていますが、本当にそうでしょうか?
この記事では両学部の合格最低点を比較し、難易度考察します。

Contents

合格最低点の比較

大阪大学工学部と基礎工学部について合格最低点の比較(2008~2019年度)を行います。
参考として、両学部ともに2008年から2019年はセンター試験の配点+個別学力試験の配点は以下のようになります。

  • 工学部:センター試験350点個別学力試験650点 (合計1000点満点)
  • 基礎工学部:センター試験300点個別学力試験700点 合計1000点満点)

工学部の方がセンター比率が高い。

☆比較表(合格最低点)☆

工学部vs基礎工学部~合格最低点の比較~
年度 工学部 基礎工学部 勝ち!
2008 636.27 625.30
2009 581.75 584.52 基礎工
2010 558.72 571.62 基礎工
2011 555.27 548.40
2012 611.50 597.69
2013 565.93 530.17
2014 556.10 549.92
2015 566.05 557.77
2016 583.90 559.27
2017 594.35 578.12
2018 592.60 581.44
2019 560.15 581.17 基礎工

工学部の2012年度から2018年度はA配点の結果

☆分析☆

2008年度から2019年度までの12年間で工学部の方が最低点が高かったのが9回、基礎工学部の方が高かったのが3回という結果になりました。

では近年は工学部の方が難易度が高いのか?と言うと、そうでもありません。
センター配点が高い工学部の方が合格最低点は高めに出やすいためです。

それを加味すると、むしろ基礎工学部が3回勝ってる事実の方が重要と思われます。

平均合格最低点の比較

先ほどは次に合格最低点の”平均値”における比較を行います。

例えば先ほどの比較では、2008年度の工学部は地球総合工学科が最低点(636.27点)で、基礎工学部は電子物理科学科が最低点(625.30点)であったため単純な平均点として636.27点と625.30点を比較しましたが、今回は、”最低点の平均点“(工学部なら応用自然応用理工電子情報環境エネルギー地球総合の2008年におけるそれぞれの最低点の平均点)の比較を行い、総合的に比べてみます。

☆比較表(“平均”合格最低点)☆

工学部vs基礎工学部~平均合格最低点の比較~
年度 工学部 基礎工学部 勝ち!
2008 644.45 637.21
2009 591.45 588.75
2010 571.07 579.84 基礎工
2011 561.59 551.78
2012 622.02 610.49
2013 578.77 542.15
2014 569.95 555.37
2015 576.13 562.62
2016 596.64 568.12
2017 601.26 587.99
2018 599.17 588.77
2019 572.30 600.55 基礎工

☆分析☆

工学部の方が高かったことが10回、基礎工の方が高かったことが2回と言う結果になりました。

前述の通り、センター試験割合的には工学部の方が高く出やすいのは確実ですが、それでも基礎工学部の方が平均最低点で勝っていると年があることがわかります。

具体的には2010年、2019年は基礎工学部の方が平均最低点が高くなっています。
これらの年は明らかに基礎工学部の方が全体的に難しかったと言えます。

特に2019年は工学部に対して20点以上の差をつけていることから、かなりのレベル差があったと分析されます。

基礎工は情報科学科が押し上げに貢献し、逆に工学部では応用自然が足を引っ張る形となっています。

まとめ

大阪大学の工学部基礎工学部と言う2つの看板理系学部について合格最低点の分析を行いました。

工学部の方が最低点が高く出やすい中で、2010年度2019年度は平均最低点で基礎工学部が工学部を上回り、基礎工学部の方が明らかに難しい年でした。

逆に工学部が明らかに難しかった年は、”平均最低点”で20点以上の差をつけている2013年度2016年度です。(それら以外の年は工学部≒基礎工学部と考えてよいのではないでしょうか)

難易度に関して、工学部と基礎工学部の間で特に隔年現象がみられると言うことは有りませんでした。

今後も、2019年度と同様な基礎工学部の方が難易度が高い傾向が続くのか目が離せません。

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