志望校別対策

【大学別対策(化学)】2018年大阪大化学の予備校評価まとめ&今後の対策(3大予備校)

2018年度の阪大化学について、3大予備校(河合・駿台・代ゼミ)の入試速報情報をまとめました。
各予備校の講評からは様々なことを学ぶことが出来ます。
(難易度だけでなく、出題傾向や問題の特徴など。)
非常に勉強になるので、受験生は一度は目を通しておくべきだと思います。
この記事では、各予備校の入試速報を比較しやすいようにまとめました。

参考) 河合/駿台/代ゼミの各HP

2018年度の出題内容

今年も例年と同じく理論化学2題+有機化学2題という構成。
阪大は10年以上この出題傾向が続いてますね!
化学平衡が出題されているのもいつも通り。
有機化学の構造決定も今年も出題。
阪大は難易度が適度に難しい良問を出題してくるので、要対策です。

化学平衡は阪大化学の定番です。ほぼ100%毎年出ます。
単位格子気体有機構造決定などと合わせて、阪大の頻出テーマです。
ここをしっかり取れれば合格に一歩近づきますよ!

難易度についての評価まとめ

各予備校の難易度評価

まず、各予備校の2018年度阪大化学に対する難易度評価です。

(予備校講評)2018年度阪大化学

各予備校とも概ね『やや易化した』と判断していることが伺えます。
しかし、有機構造決定問題の【3】は各予備校で評価が分かれました。
また、電気分解/溶解度を扱った【2】及び、油脂の構造決定問題の【4】はやや難しかったと分析されています。

各大問の評価

各大問について、各予備校はどのように評価しているのか比較します。
それぞれ予備校のコメントの抜粋です。
過去問を取り組みながら、答え合わせのときにこれらのコメントを読むと効果的です。
より詳しく知りたい方は、各予備校のHPから確認しましょう。

大問【1】

河合 (評価:標準)

CO2⇔CO + (1/2)O2の平衡反応において、生じたO2の量が微量であることから判断し、COとCO2の量が変化しないと仮定して計算を行うところがポイント。

駿台 (評価:標準)

O2が微量なので近似することができ、1次方程式で扱えるところがポイント。2010年に同様の計算問題が出題されている
問6は20次以内に次数を収めることが難しい。

代ゼミ (評価:標準)

生成した酸素の量は微量なので、反応による二酸化炭素の減少量と一酸化炭素の生成量は無視できるほど小さく、平衡時の二酸化炭素と一酸化炭素の分圧はそれぞれ近似できる。

各予備校とも、生成したO2量が少ない所に着目するのがポイントだと分析しています。

大問【2】

河合 (評価:標準)

硫酸銅(Ⅱ)水溶液の電気分解、及び電気分解で発生した酸素の溶解度に関する問題。
有効数字の指定がないので、問題文に合わせて3桁で答えるのが良いが、問3に関しては引き算の影響を考慮して有効数字2桁で答えるのが良い。

駿台 (評価:やや難)

電気分解とヘンリーの法則に関する問題。有効数字の指定がないのでそれを含めて考察される問題なのだとしたらハイレベル。
問1・2は基本問題。
問4はヘンリーの法則に関する煩雑な計算問題だが、圧力の単位に『気圧』が用いられているため、まだ計算量が軽減されている。
問5は、陰極でH2が発生し始めると、全圧一定よりO2分圧が下がることに気付けばグラフを選ぶことはできる。

代ゼミ (評価:やや難)

陰極で銅(Ⅱ)イオン2.50×10-2molが還元されたとき、陽極では酸素が1.25×10-2mol発生しており、期待としてアルゴンが8.29×10-3molしか存在しないので、酸素の分圧が1/3気圧を大きく超えている。
よって、陽極で酸素、陰極で水素がmol比1:2で発生し始めると、気体中の酸素分圧が下がり、酸素が溶解する物質量が減少していく。

難易度的にはやや難と分析されています。有効数字の指定がなかったため、各予備校からそのことを指摘されています。

大問【3】

河合 (評価:やや易)

様々な2価カルボン酸の構造決定を中心に、エステルや高分子化合物も含まれる。また不斉炭素を分子内に2個含む立体化学も出題された。

駿台 (評価:標準)

種々の化合物の構造決定と、立体異性体を中心とした有機化学からの出題。
問1,2,3はナイロン6,6の構造式も含めて基本~標準。
幾何異性体の融点の問題。結晶構造の安定性 or 分子内水素結合どちらが主原因として効いているかは判断に迷う。
問5,6の立体異性体におけるくさび形表記は近年の阪大の定番。(不斉炭素を2つもつ化合物が頻繁に出題されている。)

代ゼミ (評価:やや難)

問5,6に関して、分子内に複数の不斉炭素があるとき、分子内に対称面が存在すると、メソ体が存在する。(光学不活性な立体異性体)
問5に示されているのは、酒石酸のメソ体である。

この問題に関しては、各予備校で難易度の評価が分かれていますね。

大問【4】

河合 (評価:標準)

油脂の構造決定問題。油脂とメタノールを用いたエステル交換反応に関する問題。

駿台 (評価:やや難)

天然有機化合物からの出題。
問1のグリブタル樹脂は教科書に載っているが答えられただろうか?
問3の油脂構造決定問題はかなり難。
問4の化学反応式は示性式か構造式か指示が欲しい所。
問6でまたしても、くさび形表記が登場している。

代ゼミ (評価:標準)

油脂のエステル結合の一部が加水分解されたものが化合物Bであると仮定し、分子式がC21H38O4かC39H68O5のいずれかと考えられなければ正解にたどり着くのは難しい。

この問題についても概ね難易度が高かったと、各予備校分析しています。
“グリプタル樹脂”というのは知らなくても全く問題ないかと。
グリセリンとフタル酸からできる樹脂なのでグリプタル樹脂と言います。
そこから想像して答えにたどり着いた人も、もしくすると居るでしょうか・・。
落としても全く問題ありません。




総合評価

河合

例年通り、時間的に余裕のない分量。計算過程を書かせる問題も出題された。
二酸化炭素同士に分子間力が生じる要因の論述が出題された。
元素分析の結果のみからでは組成式を決めるのが困難な問題が出題された。

駿台

各分野満遍なく出題されている。中にはハイレベルな問題も含まれる。有機化学では今年もくさび形表記を用いた出題が出題された。
【1】は散漫な小問集合でメインテーマがなく、阪大らしくない出題。
【4】でバイオディーゼルが出題された。

代ゼミ

昨年と異なり、数値計算では割り切れず煩雑な計算となっており、方法はわかっていながら失点してしまった受験生もいたのではないか。
ただ今年は高度な知識や思考力を要する出題が少なく、問題集に記載されている類題が多かったため、スピードも含めた計算力が大きく得点率に影響したのではないだろうか。

個人的に今年の出題で好きなのでは、【3】の問3は『分子間水素結合』に関する問題です。
分子間の相互作用というのは化学を研究する上で重要な視点です。
相互作用により、融点(or 沸点)に影響がでてくることを題材にされていました。
一応、マレイン酸とフマル酸の沸点の違いは参考書でもよく見かける典型例ではあります。

大学生や社会人の方はIR(赤外吸収)測定を行ったことがある人もいるかもしれませんが、マレイン酸とフマル酸では、同じ分子式なのにチャートが全く違います!
これも、立体構造が違うことにより、分子内&分子間相互作用が異なるためです。

今後の対策

今後の対策
有機化学でバイオ関連の出題がされたのは近年の環境・再生エネルギーといったトレンドを取り入れたかったからでしょうか?

今年も例年通り、化学平衡気体単位格子酸塩基有機構造決定などの頻出問題が出題されました。
過去問を見るとわかりますが、これらの分野は本当によく出題されます。
それ以外だと反応速度熱化学もよく出ます。
阪大は変な出題が少なく、化学的に重要な分野からの出題が多いのが特徴です。
なので、この辺りはよーく勉強しておくように。

このような出題なので、医学部以外なら6~7割で良いと思います。
おすすめの参考書は『重要問題集』と後は『化学の新演習』及び『阪大化学の過去問20カ年』です。
重要問題集で基礎を確認し、新演習で応用を試すという形です。
また、阪大化学の過去問は良問が多いので、傾向を知ること意外でも勉強になります
色々な問題に応用が利く問題ばかりなので、個人的にかなりオススメです。
これらの問題集をきちっと基礎を理解しながらやり込めば、7割は少なくとも固いです。

今年出題されたバイオディーゼルとは、植物油や廃油から作られるディーゼル用の燃料です。再生エネルギーの一種と言えます。
『カーボンニュートラル』とされる燃料で環境に良いエネルギーです。

『燃料電池(水素エネルギー)』や『リチウムイオン電池』『バイオマス』なども要チェック。