京都大学工学部における合格最低点(得点率)の推移をまとめました。
またそれぞれの学科における最低点の推移を比較し、統計的に分析しました。
“入りやすい学科”や”入りにくい学科”があるかについても検証しました。
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京都大・工)合格最低点の推移
京都大学工学部における5学科【地球工学科、建築学科、物理工学科、電気電子工学科、情報学科、工業化学科】の合格最低点の推移になります。
合格最低点推移表(2012から2019年度)
年度 | 地球工学 | 建築 | 物理工 | 電電 |
情報学 |
工業化学 |
2012 | 522.50 | 508.30 | 532.36 | 510.63 | 496.46 | 501.71 |
2013 | 545.21 | 559.01 | 584.10 | 571.66 | 581.03 | 562.16 |
2014 | 560.15 | 572.03 | 593.96 | 576.18 | 578.15 | 568.43 |
2015 | 567.90 | 580.21 | 599.75 | 577.56 | 594.18 | 569.36 |
2016 | 566.68 | 576.70 | 610.11 | 571.06 | 599.85 | 565.06 |
2017 | 577.50 | 593.96 | 606.13 | 589.43 | 611.10 | 574.08 |
2018 | 621.43 | 644.91 | 649.33 | 628.06 | 662.81 | 614.76 |
2019 | 580.15 | 594.51 | 618.80 | 605.78 | 638.58 | 578.06 |
平均 | 567.7 | 578.7 | 599.3 | 578.8 | 595.3 | 566.7 |
標準偏差 | 26.8 | 35.8 | 31.2 | 31.7 | 46.1 | 29.0 |
黄色で示した部分がその年の京都大学工学部における合格最低点学科です。
得点率(%)で換算した表
年度 | 地球工学 | 建築 | 物理工 | 電電 |
情報学 |
工業化学 |
2012 | 52.3 | 50.8 | 53.2 | 51.1 | 49.6 | 50.2 |
2013 | 54.5 | 55.9 | 58.4 | 57.2 | 58.1 | 56.2 |
2014 | 56.0 | 57.2 | 59.4 | 57.6 | 57.8 | 56.8 |
2015 | 56.8 | 58.0 | 60.0 | 57.8 | 59.4 | 56.9 |
2016 | 56.7 | 57.7 | 61.0 | 57.1 | 60.0 | 56.5 |
2017 | 57.8 | 59.4 | 60.6 | 58.9 | 61.1 | 57.4 |
2018 | 62.1 | 64.5 | 64.9 | 62.8 | 66.3 | 61.5 |
2019 | 58.0 | 59.5 | 61.9 | 60.6 | 63.9 | 57.8 |
平均 | 56.8 | 57.9 | 59.9 | 57.9 | 59.5 | 56.7 |
標準偏差 | 2.7 | 3.6 | 3.1 | 3.2 | 4.6 | 2.9 |
単位:得点率(%)
黄色で示した部分がその年の京都大学工学部における合格最低点学科です。
京大工学部の学科難易度は明らかに”社会情勢”が織り込まれていますね。
近年のAIやIoT人材の社会的要請の高まりに伴って、情報学科の難易度が急上昇しています。(上がり出したのがここ3年ほどなので、少し遅いですが。)
一方で日本の化学工業の国際競争力低下とあいまって、工業化学科の難易度も低下しています。
得点率推移グラフ
(学科毎)最低点をとった回数
最も入りやすい学科は?
近年は工業化学科
2012年からのデータを統計的に見ると、最も合格最低点の平均値が低く、なおかつ各年における標準偏差も小さいことから、安定的に合格最低点が低いと言え、近年の京大工学部における”最も入りやすい学科”は工業化学科であると言えそうです。
逆に最も入りにくい学科は?
近年は情報学科
近年の結果を見ると、情報学科が圧倒的に難しいです。
工学部で3年連続No.1ですし、特にここ2年は最下位学科と5%も突き放しています。
2019年度の情報学科は2位に30点差以上つけるなど、圧倒的に難易度が高かったです。
私見ではこれは単なる偶然ではなく、情報系人材の需要増大に伴い、レベルの高い志願者が情報学科に集まっていると推定しています。
つまり、京大工学部情報学科は、今後もこの難易度が続くと予想されます。
熾烈な競争となりそうです。