旧帝大をはじめとする難関大学の生物には、論述問題のような”書かせる”問題が非常に多く出題されます。
論述問題には大きく分けて、①実験考察型の論述問題と②典型・定番の論述問題の2つのタイプがあります。
毎年、難関大学では両方必ず出題されています。
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旧帝大の生物論述問題の傾向
特徴としては、東大・京大・阪大は、例年かなりハイレベルな実験考察型の論述を出題しています。
実験結果から読み取れることなどを論述させるタイプで、生物で一番難しいタイプの問題です。
字数も多く、字数制限自体がなかったりする場合もザラにあります。
また九大や名大、東北大といった地方旧帝大も、東大や京大ほどではないですが、難易度の高い実験考察型の論述問題を出題しています。
早慶の生物・論述
採点に時間が掛かると思われる論述問題ですが、私立でも意外と出題されます!
特に慶應医学部の生物は、東大京大に匹敵するハイレベルな実験考察問題型の論述問題が出題されます。
また、早稲田理工の生物でも、定番の論述問題から考察型の論述問題までかなりの量が出題されます。
早慶理工の生物は、旧帝大生物ぐらいの難易度だと思います。かなり難しいです。
関関同立の生物・論述
関関同立クラスではそれほど難しい考察問題や論述問題はでません。
毎年数題ほど記述も問題が出題されるケースが多く、内容もほとんどが教科書レベルまたは教科書+αです。
特に同志社はほとんどが語句問題や記号問題です。
唯一、関西学院は少し骨のある字数の多い論述問題を結構出題しています。
もし京大や阪大などで生物を得点源にしたい人は、関西学院大学を滑り止めにして論述問題の腕慣らしをするのもいいと思います。
論述の対策
論述問題は無対策ではなかなか書けませんよ。
日頃から書く練習と問題を解く練習を積んでおかなくては、本番で的を得た論述ができません。
そのためには論述問題の良書で演習するのが一番です。
良書に記載されている論述は、そのまま試験本番で出題されることもよくありますし、
考察型の論述問題を考えるうえでの基礎知識にもなります。
生物論述問題の良書
以下に管理人オススメの生物論述対策本を紹介します。
難易度的には、大森徹の生物記述・論述問題の解法が中級~上級の手前ぐらいのイメージで、
生物新・考える問題100選が上級~最上級のイメージです。この問題集は実験考察型の論述問題を
鍛えるために取り組みます。
その間を補完する問題集としては、理系標準問題集や実力をつける生物などの普通の受験参考書が役に立ちます。
- 駿台の大物予備校講師である大森徹氏による著書
- 第1編が書き方の「ルール」、第2編が「定番の論述」、第3編が「考察型の論述」
- よくでるタイプの論述問題が多数収録されている
- いたずらに難しい問題はなく、基本に忠実な内容であるため全ての問題に目を通しておくべき
- しかし、網羅的ではないので、東大・京大・阪大など生物が難しい大学の受験生は、他の参考書や過去問での論述対策が必須
論述問題は、様々な知識をぼんやり理解しているだけでは本番では制限時間内に正確に記述することは不可能です。日頃から生物現象を説明するトレーニングを繰り返し行わなくてはなりません。
- 主に実験考察型の論述問題のトレーニングに最適
- 改訂され、現代の出題内容に合う良問が多く収録されるようになった
- 問題の難易度は高く、東大及び医学部志望の人や生物で高得点を取りたい旧帝大及び早慶志望の受験生が対象
実験考察問題といえど、前提となる知識は必要です。それも、難関大学の場合かなりの知識量が必要とされます。そのためこの問題集に取り組むには、まず生物重要問題集などの難易度がそれなりに高い定番の問題集を終わらせてから挑んだ方が良いです。知識がない状態でこのレベルの実験考察問題に挑んでも、問題文の意味を把握するのさえ苦労すると思います。
まとめ
生物の記述・論述問題は、難関大学だと必ず出題されます。
日頃から生物知識の『要点をまとめる』『論理的に説明する』などの練習を積んでおきましょう。
私大でも意外に論述問題が出題されるので、難関大学受験生は私大で”腕慣らし”をしても良いと思います。