志望校別対策

【予備校講評】東北大化学(2018年度)の難易度評価を比較(3大予備校)

3大予備校(河合・駿台・代ゼミ)の入試速報をまとめました。
入試速報の“講評”を読むことで、各予備校の入試問題に対する考え方がわかります。
3大予備校は2018年東北大化学をどのように分析したのでしょうか。

参考) 河合/駿台/代ゼミの各HP

出題内容

(テーマ)2018年度東北大化学

東北大化学は毎年、【1】(理論化学),【2】(無機化学),【3】(有機化学)の3題で構成されます。
今年も例年通りの出題の仕方となりました。
計算過程を示す問題論述問題も例年通り出題されました。

難易度評価

各予備校の難易度評価

各予備校は2018年度東北大化学の難易度をどのように評価したのでしょうか。

(予備校評価)2018年度東北大化学

2018年度東北大化学については、各予備校とも概ね『やや易化した』と判断していることが伺えます。
特に【3】の有機構造決定が例年より解きやすくなったと分析されています。

各大問に対する評価

大問【1】

河合 (評価:標準)

二酸化炭素分子,分子結晶,三重点からの状態変化,逆滴定,熱化学,水素の発生,燃料電池,気体,飽和蒸気圧。

駿台 (評価:標準)

問5では水の蒸発熱の計算処理がポイントであった。問7(3)は水蒸気圧を忘れがちなので注意が必要。
また,反応前の酸素の物質量を要求されているが、与えられたデータからだと、反応前の窒素と酸素の物質量の和を求めなければならないので、少々面倒であった。

代ゼミ (評価:標準)

二酸化炭素をテーマにした総合問題。
全体として標準的な問題が出題されている。
確実に正解したい。
問3の三重点からの状態変化に関する問題は少々戸惑ったかもしれない。
問7の燃料電池に関する問題は、反応した酸素の物質量と、
飽和水蒸気圧の両方を考慮して計算する必要がある。
(空所補充1問, 知識・選択3問, 反応式2問, 計算5問)

標準的な問題であったと代ゼミから言及されています。

大問【2】

河合 (評価:標準)

I. 元素の周期律、炎色反応、ハロゲンの単体の融点、塩素の実験室的製法
II. アルミニウムの不動態、緑青、Al板とCu板からなる電池、合金、合金の組成、Cu3Auの結晶(面心立方格子型)

駿台 (評価:標準)

〔I〕は典型的で,高得点が必要。
〔II〕では問8の緑青の生成,問9の電池および,問11(2)の原子数比から原子配置を推定させる問題は過去にあまり例がなく,戸惑ったかもしれない。

代ゼミ (評価:標準)

[Ⅰ]はハロゲンに関する空所補充や選択、反応式等は単純な知識問題であるため確実に正解した。
[Ⅱ]は合金をテーマとした総合問題である。
合金に関する細かい知識を必要とする問題が出題されているため、合金の組成、性質に関してはしっかりと暗記しておく必要がある。
問11の合金の結晶格子に関する問題は見慣れない設定であるため、戸惑った受験生も多いのではないか。
空所補充2問、知識・選択6問、反応式2問、記述1問、描図1問、計算1問。

代ゼミが詳しく分析してくれています。合金の細かい知識が必要な点と、合金の結晶格子の問題が難しかった旨が述べられています。

大問【3】

河合 (評価:やや易)

分子式C25H30O6で表されるトリエステルの加水分解生成物の構造決定,有機化合物の分離,フェノールの合成,ノボラック

駿台 (評価:標準)

実験2が酸性物質と中性物質を分離していると気づければ,操作は推定できるだろう。実験3は教科書では扱いがないが,アセチレンの三分子重合から類推したい。化合物BとCが決まったあとは,問8で加水分解時の分子式変化を利用してD,Eの分子式を求めればよい。例年に比べると難易度が低下しており,実験を順番通りに読解していけばかなり高得点がのぞめるだろう。

代ゼミ (評価:標準)

芳香族トリエステルの構造決定問題である。
分離操作から各化合物の官能基を推定し、アルキンの3分子重合からBの構造を決定することが出来れば、構造を決定することは可能だろう。
例年通り各設問が誘導になっているため、設問順に問題を解き進めていけばよい。
例年ほど難易度は高くない問題である。
元素分析2問, 構造式4問, 知識・選択3問。

代ゼミと駿台から、今年の構造決定問題の難易度は例年ほど難しくはなかったと分析されています。




各社の総合的な評価(抜粋)

河合塾

有機化学がかなり解きやすくなった。
[2]Ⅰ、問1の空欄[ウ]と[オ]が、文中の条件からは判断しにくい問題であった。
例年通り計算過程の記述1題論述問題1題が出題された。

駿台

従来から高分子(天然 or 合成)の出題が少なく、今年も高分子化合物の題材名『ノボラック』が扱われた程度であった。
頻出分野である,結晶構造,気体,酸化還元,無機化合物の性質,有機化合物の構造決定が今年も出題された。また,頻出分野である化学平衡は,今年度は出題されなかった。

代ゼミ

例年通り、第1問は理論化学、第2問は無機化学(一部理論化学の問題あり)、
第3問は有機化学からの出題となっている。
本年の問題は、一部考察力を必要とするものもあるが、全体を通して標準レベルの問題が出題されているため、取りこぼしのないように得点する必要があるだろう。
構造決定問題に関しても、本年は標準的な問題であった。

今年は標準的な問題が並んだと各社分析しています。

管理人の感想

東北大化学は基礎~標準問題が多めであるので、対策は立てやすいと思います。
[1]は三重点の問題は少し難しかったと思います。『推測』で正解した人が多かったのではないでしょうか。融解曲線や蒸発曲線は正に傾いているところがポイントです。

[2]問10の合金の選択問題ですが、このような知識問題は手薄になりがちです。過去問で出題が多い場合には、意識的に学習する必要があるかもしれません。

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