受験生物は理科の中ではかなり知識の割合が高い科目です。
難関大学では論述問題や考察問題が出題されますが、それを解く上で必要なのはまずは知識です。
化学や物理は丸暗記では全く対応できませんが、生物は比較的暗記のウェイトが高いといって間違いありません。
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阪大生物を暗記で突破
私は大学は阪大に行きましたが、理科は生物・化学選択でした。
当時は阪大生物は難しく、生物選択は不利ではないかと思われていました。
しかし、個人的に生物は結構面白くてよく勉強したため、本番でも生物で72%確保できました。
(阪大は受験後点数を開示できる。)
当時の私は『生物は暗記ではない』と自分に言い聞かせながら学習していましたが、振り返って思うと学習内容はほぼ暗記でした。
なぜ私が暗記だと感じたかを説明します。
少量の知識で多くを解く戦法が通用しない
化学や物理は、『理解力』や『思考力』『論理力』が大きなウェイトを占めます。
そのため少ない知識でも、正しい理解とその場の思考で何とかなる場合があります。
また、沢山暗記したところで根本的な理解ができていなければ全く成績は伸びません。
一方生物はというと、知識を知っていれば解ける問題がかなり多いです。
その理由の一つに、単元間の”相関性”が薄いことが挙げられます。
例えば『遺伝子と染色体』の単元と『動物の行動』という単元は内容が全く違います。
全体を見て共通性があるとしたら『全て生き物を扱っている』ということぐらいです。
少数の知識で多くの問題を解くという『小よく大を制す』的な考えはほぼ不可能で、『大は小を兼ねる』的な態度が必要な科目です。
文系でも十分対応可能
受験生物はぶっちゃけ、『日常の感覚』で十分に対応可能な学問です。
生物の話は文系の人に話してもちゃんと通じます。
極端に言えば、ちょっと賢い文系出身のスーパーのおばちゃんでも頑張って勉強したら理解できてしまいます。
一方、化学などは、非常に理数的な思考力が求められます。
なので理系的素養のない人は全く理解が追い付かないことが多いです。
pHひとつとっても、水の平衡などが絡むため、きちんと理解するのは困難です。
論述問題も7割は知識
旧帝大などのハイレベルな大学では必ず相当量の『論述問題』が出題されます。
しかし内容をよく分析してみると、『知識』をベースにしている問題がほとんどであることがわかります。
東北大や名古屋大などの難関大であってもざっと7割ほどは知識で、それに3割ほど読解力+思考力+経験(生物学的思考)を絡めたといった問題が多かった印象です。
本格的な考察問題はかなり少数派です。
神戸大ぐらいになると本当に殆どが教科書で習う知識です。
東大京大(阪大)は+読解力も必要
東大京大と年にもよりますが阪大は、かなり長文の実験設定を読むことが要求されるので、『出題者が何を言いたいのか』を汲み取る読解力も必要です。
しかし、それも知識があってこそです。
私が行った学習方法
教科書の読解&ノートに書き込み
私自身、受験生物で勉強したことは、ほとんどが生物現象の理解と、その内容の言語化・記述でした。
まず教科書(or 準じた参考書)を読んで流れや細かい部分を理解します。
そして、学んだ知識をノートに写して自分の言葉で書き込んでいくのです。
それにより、知識を有機的に絡めて覚えます。
問題集の繰り返し演習
結局、論述問題にせよ考察問題にせよ『覚えてないと解けない』のが生物の特徴です。
試験時間も限られているため、本番で悠長に考えている暇もありません。
なので、生物の良書である『生物重要問題集』や『実力をつける生物』などを繰り返し解いては、内容を反復演習していました。
同じ内容でも違った角度から出題されることもあるので、『医学部への生物』など色々な問題集を解いて、臨機応変に対応できるように学習しました。
問題を解く → 答え合わせ → 間違ったところを覚える → ノートにまとめる
駿台の『遺伝特講』と『生物論述ファイナル』はオススメ。
知識だけで偏差値70オーバー
上記のように私の場合は、生物の学習方法として
- 教科書(的な参考書)をノートにまとめる
- 問題集を繰り返し演習する
- 論述問題を繰り返し書いて覚える
といった極めて地道な方法で、駿台全国模試などで偏差値60後半から時には70を超えました。
本当に、問われるのは生物学的知識の有機的な繋がりです。
それでも足りない知識
思い返すと、かなり知識的には色々身に付けましたがそれでも頻繁に知らない問題に遭遇しました。
なので生物で100点を目指すことは現実的ではないなと感じます。
まとめ
論述問題や考察問題と言えど、基本は知識です。
純粋な論理的思考や複雑な計算を問われる問題はかなり少ないです。
しっかり内容を理解して教科書の内容をノートへまとめたり、論述問題を繰り返し演習したりして生物学的知識力を深めましょう。