京都大学の英語は難しいことで有名です。
まず内容が難しいし、構文も難しいし、和文英訳も高校生にやらせるべきとは思えないレベルです。
そんな京大英語の分析・対策を行いました。
Contents
出題内容
近年出題傾向が変わってきいます。
今後もこの傾向が続くか不明です。
しかし、従来型の英語教育の見直しや、実用英語推進・発信型英語の促進の流れからして恐らく、新型の試験問題は続くと推測されます。
構成
【Ⅰ】長文読解
【Ⅱ】長文読解
【Ⅲ】和文英訳 or 条件英作文
【Ⅳ】自由英作文
京大英語で自由英作文なんて、以前は考えられなかった構成です。
思考力や発信力が重視されるタイプの試験は、とても良い取り組みだと個人的には思います。
つまりそういうことです。
難易度
受験英語としては最高レベルの難易度。
高度な英語力教養論理的思考力、及び日本語力が求められます。
全統記述で偏差値70がやっとというレベルだと、たぶん太刀打ちできないと思います。
長文読解・下線部訳
- 基本的には下線部和訳が中心
- 近年、長文空所補充問題も出題されるなど多少変化有り
- 文章の抽象度が高く、内容及び文章の書き方が“硬い”
- 高度な単語力・文法力・構文把握力が求められる
- 自然科学と人文科学を軸に、芸術や経済、歴史など様々な背景知識(教養)を修得していると強いが、逆にこれらがチンプンカンプンだと英語力以前の問題でまず正確に読めない
京大英語の特徴は、文章の内容面でのレベルの高さと文章の硬さです。
とても高校生が英語で読む文章だとは思えません(笑)
下線部和訳は確かに下線部の部分を訳出するわけですが、その部分だけを読めばいいわけではありません。
文章全体を読んで文脈を考慮しなければ、適切に訳出することは不可能です。
英作文
- 非常に訳しにくい問題が出題される
- 評論文やエッセイの訳出が多い
- 単純な和文英訳だけではなく条件英作文や自由英作文も出題されている(2016年~2018年)
コミュニケーションとしての英語力の促進が社会的に叫ばれていますので、その流れに乗って京大も出題傾向を変えてきました。
個人的にはこの傾向には大賛成します。
“受験英語脳”を一刻も早く取り去らうべきだと思います。
対策
長文読解・下線部訳
高度な文法力は必要ですが、それはあくまで読解に必要なレベルの文法知識で十分です。
早稲田などの私大で出題されるような重箱の隅をつつくような文法的知識を有していたところで、全く意味がないと言っていいと思います。
それよりも文脈から判断できる能力や、背景知識から類推するセンス、が重要なのは京大入試と言えど変わりません。
京大入試独特な難しさという点に絞ると、英文の硬さと内容の高度さが際立っているので、京大で出題されるっぽい英文を出来るだけたくさん読むことが京大英語の読解力を上げる基本的な方法です。
過去問演習の他に、阪大の過去問も京大と傾向が似ていて非常に参考になります。
また、予備校の出している京大実践模試などの過去問もやっておくと良いと思います。
英作文
基本は京大であろうと阪大やその他英作文を出題する大学と対策は変わりません。
基本例文を暗記したり、様々な英語的な表現を覚えたり、実際に書くトレーニングを積んだりしましょう。
京大の場合は日本語がこなれていて訳出し辛いので、日本語の意味を考えて英語にする訓練が余計に必要であります。
注意してほしいのは日本語のニュアンスを100%英語にすることは不可能であるということです。
これは本当によく理解して欲しいと思います。
同じ感謝の気持ちを表す言葉ですが、全く同じではないですよね。文化的背景が違うと言うか。
問題演習は、読解の場合と同様に阪大の過去問が非常に参考になると思います。
まとめ
- 大学入試としては最高難易度の下線部訳と英作文が出題される(配点50/50/50)
- 長文の内容が、哲学や文学・科学・芸術論など読み応えのある文章が出題されるため、英語力と同時に一種の教養力が必須である
- 東大と異なり、3題に対して試験時間が120分あるため時間的厳しは少ないが、年度によって分量が著しく増大するので注意が必要
- 従来は和訳と英作文のみであったが、近年該当箇所を自分で見つけて和訳するタイプの問題や要旨要約問題などに加え、記号問題や空所補充の出題が見られるなど傾向が変化してきた
- さらに驚くべきことに2016年から2018年の3年間連続で自由英作文が出題された(大門Ⅳ)
- 2018年は条件英作文と自由英作文で、純粋な和文英訳の出題はなかった
- 基本的に、単語力や高度な構文把握力、及び日本語力や広範な教養・知識が求められる点は変わりなく、高得点を取るには相当ハイレベルに到達しなければならない
- 55%程度得点できれば、医学部医学科以外は合格点である