理系の受験生は物理選択か生物選択に大きく分かれます。
物理と生物はかなり性格の違う科目ですので、生物には生物の困難さがあります。
生物選択者が受験を突破する上で、心得ておかなければならないこと5つをまとめました。
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①要求される知識量が多い
生物は知識量がかなり必要です。
物理や化学ほど数式はでてこないし、数値的な問題は少ないですが、その分覚えるべき知識が山ほどあります。
生物には様々な分野・単元があり、それらを理解し覚えていることが重要ですが、それに加えて個別の知識が結構要求されます。
個別の知識とは、例えばDNAというモノの働きなどは、それだけでかなり奥深いテーマです。
その遺伝子発現機構はかなり複雑で、当然色々な説や考え方がありますが、難関大学の受験生物ではそれらを『知っておかないと』ダメなことが多いです。(少なくとも有名な説は絶対)
また、細胞小器官と言われる、ミトコンドリアや葉緑体などの細胞内で働く器官も、それ自体がかなり様々な働きをしているので、知識として知っておくべきことが沢山あります。
つまり、知識の深掘りがいくらでもできてしまう性質があります。
(本番でもたまに問われたりします。)
②考察問題の存在
論述問題や考察問題も、実は基礎知識の組み合わせだったり典型問題の焼き直しであることが非常に多いので、地道に対策すれば大丈夫です。
しかし、その知識を前提として、それを否定する実験考察問題がたまに出されます。
深い生物学的知識を前提として、それを否定する問題です。
(例えば「一遺伝子一酵素説」を否定する考察問題など。)
まずそのレベルの知識を完全に自分のものにするのに時間がかかる上、「それは条件によっては間違ってるよ」と言われるのです。
それを解答するのは、結構難しいことです。
また実験条件が複雑で読み取るのに苦労することもありますし、知識面でかなり深い理解を要求されることもあります。
③問題文が長く読解に時間が掛かる
旧帝大の上位大学(東大京大+阪大)や上位私大(早慶)は、生物の文章量が非常に多いです。
基本的に実験考察形式の問題ですので、実験条件などでかなり問題文が長くなっています。
考察問題ではそれらを正しく読んで理解しないと、解答することはできないので、どう頑張っても絶対的に時間が掛かります。
④論述量が多く書くのに時間がとられる
難関大学の受験生物の特徴は論述問題です。
論述字数が合計で1000字以上などザラです。
本番で要点と押さえて、論理的におかしくなく、なおかつ簡潔な文章を書くのは、簡単では有りません。
制限時間を考えると、あまり文章の構成について考えている暇がありません。
なので、文章を書くのが苦手な人は、それだけで時間オーバーです。
論述が得意な人でも、確実に書く時間がとられます。
物理では得意な人や頭の良いひとはサッと条件を読み取って数式に落とし込むことができるため、そこで時間を余らせることができます。
生物はいくら得意でも、確実に一定時間が必要です。
⑤学習指導要領を完全に無視した出題
10年以上昔の阪大やその他の旧帝大では、学習指導要領を完全に無視した教授の趣味のような問題がかなり多く出題されていたようです。
現在では特に私立医学部で、マニアックな問題が出題される傾向があると言われます。
そのような問題はいくら賢くてもほとんど解答不可能なので、物理選択が有利とよく言われていました。
よっぽど生物マニアか運よくその内容を知っていた人しか得点できないことになりますが、それは試験として機能していないですよね。
単科医科大などを生物で受験する人は、よく過去問を見ておいて下さい。
まとめ
受験生物は難関大学であればあるほど一筋縄ではいきません。
その理由は膨大な知識量や考察問題の存在、解答時間の問題、範囲外の問題などがあります。
生物選択者はその辺の特徴はしっかり把握したうえで、受験を戦っていくことが必要かもしれません。
では生物選択は不利なのか?
巷では「生物選択不利説」がよく囁かれますが、それは間違いだと思います。
確かに場合によっては不利かな?と思わないこともないですが、生物には生物のメリットがあるので一概に不利とは言えないとは思います。
実際、東大理Ⅲにも毎年生物選択で入学する学生が居るぐらいなので、生物だから不利という考えはある程度誤りと言っていいでしょう。
生物にはメリットもデメリットもあります。それは物理も同じです。それだけです。