無機化学の分野は理論化学の結合や酸化還元・酸塩基などと深い関係があり、理屈でわかる部分もあります。しかし、化学物質の色や立体構造、工業的な製法など理論化学からの導出が実質的に不可能な内容が多いのが無機化学の特徴です。そのため学習の中での暗記の割合が少し大きくなります。実際の入試問題では化学平衡などの理論化学と絡めて出題されることがよくあります。
1. 福間の無機化学の講義 三訂版 大学受験Doシリーズ
- 無機化学が結合や酸化還元などの理論化学分野と絡めて体系的に美しくまとめられている
- 3色カラーであり、化学物質の色などがパッとみて分かりやすく描かれている
- 金属錯体に関しては配位結合などの理論と絡めて説明されている他、ハロゲンの酸化力の比較についても実験とともに簡潔に紹介されていて暗記に頼らない考える力がつく
- アルカリ金属などの性質も周期表と絡めて理論的に説明されている
- H2O2が例外的に還元剤として働く場合や自己酸化還元反応など、盲点となる部分がしっかり書かれている
- 暗記すべき部分と理論的に考える部分が区別されていてわかりやすい
- 難関大学でよく問われる立体構造が図で示されていて勉強になる
- 知識のチェック問題がついている
- レイアウトも非常に綺麗
- 全体的に非常にオススメできる
2. 大学入試 亀田和久の無機化学が面白いほどわかる本
- ややマニアックな印象を受ける
- しかし理論的に話が進められており脱暗記の側面が強く化学的思考力が深まる
- 特にアルカリ金属の沸点や融点について各アルカリ金属の原子半径と結合力を用いて表にすることでその関係が一目瞭然になっていたりと、見所がある
- キャラクターが色々感想を喋ったりして面白い(「H2Oは折れ線構造だけど、H2Sも折れ線構造なのね」「ガラスと水晶は何が違うのですか?」「漂白剤から泡が出ていたのはO2だったのね」など)
- 初学者向きでは全くないので注意が必要で、対象は化学をある程度学び終わってさらに深く学びたい難関大学志望者向けである
- 理学部化学科志望者などの化学を極めたい人には非常に重宝するはず
- 一般的な参考書にあまり書かれていない内容のことが書かれていたりして独自性があり勉強になる
まとめ
以上になります。
無機化学は暗記の側面があるので、わかりやすく知識を解説してくれてるものが良いです。
また、ただの暗記ではなく理論的な裏付けも『適度』に説明してくれている本が、良書と言えると思います。
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