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特徴
- 化学平衡や反応速度がとてもよく出題される
- 無機化学や有機化学は、よく理論化学と融合される
- 有機化学の構造決定に関しては、それほど難問は出題されない
- 論述問題がとてもよく出題される
- 高度な化学的思考力を問う問題が、毎年数問出題される(2007年のメタセシス反応など)
【出題内容】
例年出題内容はある程度規則性があり、
【1】 無機化学
【2】 理論化学
【3】 有機化学
【4】 有機化学
というパターンが多い。
無機化学や有機化学は、化学平衡などの理論化学分野と絡めて出題されることもよくあります。
大門【3】【4】は有機化学が毎年出題されています。
【難易度】
じゃないと解けないような問題が多いです。
極端な難問題が出る可能性は高くないが、標準からやや難の問題で占められており、丸暗記では歯が立たない。特に理論化学の出題が半分以上を占め、無機化学や有機化学とも融合されるケースも散見される。
化学平衡や反応速度が頻出である。苦手とする受験生が多いため対策が必要。
その他に結晶格子や気体の出題もよく出題される他、熱化学、酸塩基、酸化還元などからも出題される。そのため特定の分野に絞り込むことはできず、全ての範囲を満遍なく理解しておかなくてはならない。
化学的思考力が問われる出題が多いので、中途半端な理解では合格点は難しい。
【対策】
阪大化学は思考力が必要な良問が出題されます。特に【1】【2】の理論化学は、化学的思考力が試されるとても良い構成です。もし理論化学分野をあまり理解しておらず、問題集は“暗記しているから何とか解ける“程度の実力なら、化学平衡などの計算問題は手も足も出ないでしょう。しかしいたずらに難しい問題ではなく、論理的で練られた内容であるので基礎から丁寧に理解している受験生はしっかり得点できます。
とは言え、苦手な人や、時間がもう残されていない人もいると思いますので、一つテクニック的なことを言うと阪大化学は重要問題集などに登場するような標準問題も割と出題されます。理論化学の本格的な計算問題で仮に点を落としても、ココはきっちり得点するようにしましょう。また、【3】【4】の有機化学の問題は、手が出しやすい場合が多いです。阪大化学で間違いなく出題される基礎から標準レベルの問題を、確実に得点することで4割前後はだいたい確保できます。
僕のよく知っている人で、理論化学の勉強はよくするのだけれどイマイチよく理解しておらず、計算問題が不得意だった人が居たのですが、重要問題集などの理論化学のパターン的な問題は覚えてしまって、あと有機化学に関しては新演習やその他の有機化学専用の問題集を何周もして対策することで、本番は4割ほど得点していました。有機で得点して後はかき集める作戦ですね。あまり褒められた方法では有りませんが、苦手な人はこういう作戦もないわけではないです。
もし、化学で6割以上の得点を目指すのであればやはり重要問題集などの標準的な問題集を徹底的に解くことに加え、新演習などの上級の問題集にも取り組み、じっくり考えながら取り組む訓練をおススメします。
化学平衡や反応速度、単位格子や熱化学など阪大で頻出のこれらの分野は、理解が難しい所もあると思いますが、それはどの受験生にとっても同じなので焦る必要はありません。可能なら必要に応じて教師や塾講師・家庭教師に相談しながら取り組むと上達は早いかもしれません。そうでない人も、今は参考書やインターネットに必要な情報は十分載っているので、地道に取り組めば化学は成績が上がります。
余力があれば、化学反応の中間体の存在、化学反応に関わるエントロピーやエンタルピーという概念などの範囲外の内容も目を通すと、より化学が理解できるかもしれません。一応そのような内容も、化学の新研究には記載されています。難関大志望者にはオススメの一冊です。