まずはじめに、化学は高得点が望める科目です。
ぶっちゃけ、英語はともかく、数学や物理はよっぽど頭が良くないと難関大で満点とるのは難しいですし、生物も満点をとるには膨大な知識と相当な速読・読解力が必要です。
(簡単な年を除く。)
しかし、化学は科目の性質上、高得点を望むことができます。
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私が思う受験化学の特徴
少しとっつきにくい
まず化学という科目は、かなりとっつきにくいと思います。
『電子はペアーをくんでいる方が安定で~』『希ガスはそれ自体が安定で~』『化学反応式の係数を揃えて~』など、なんとなく理解し辛い化学独特の考え方や雰囲気というのがあると思います。
私も大学や社会人になって化学を本格的に扱うまで、かなり嫌いでした!
しかし、化学という複雑系を理解するためには、ああいう教え方しかできなかったんだな~と今では納得しています。
高校レベルの説明では理解できないことも多い
受験化学にとどまらず、化学全体にも言えるかもしれませんが、突き詰めて考えると『なんでこうなるの?』と思うこともよくあります。
例えば、高校化学では化学反応において『中間体』というものの存在を無視していますよね。
なので化学平衡や反応速度について、深く考えると袋小路に迷い込む場面があったりします。
分野別対策
理論化学
理論化学は受験化学の基礎です。
有機化学や無機化学を単独で勉強することもできますが、やはり理論化学による裏付けがないと深くは理解できないです。
酸塩基や熱化学、反応速度や化学平衡や電池など、概念的に難しい所が多いのが理論化学の特徴。
化学では単元同士が完全に独立していることはほぼなく、密接に関連しています。
酸塩基を理解するためには、酸とは何か、塩基とは何かを、ブレンステッドやルイスの概念で学ぶ必要がありますが、それ以前に電離についても知らなければいけないし電離を理解するには溶媒和を学ばなければいけないし、pHなど化学平衡も密接に関係している・・。
即ち、難関大学で高得点を取るには、化学の総合的な理解が必要です。
受験にはほぼ満遍なくでますが、化学平衡は必ずと言っていいほどでます。
様々な分野との融合問題としても出題されます。
難関大学で化学平衡が一問もでないなんてことはほぼないです。
『酸塩基』や『電池』『気体』など化学で習うほとんどの単元も、平衡の考えなくして語れません。
無機化学や有機化学ですら、融合問題として平衡が登場します。
なお、難関大学では化学物質の分子構造と官能基の性質を絡めた出題をしてくることがよくあります。
例えば、マレイン酸とフマル酸の沸点はどちらが高いか?その理由は?
のような問題です。
無機化学
無機化学は理論化学と打って変わって、暗記の側面が強くなります。
何故、暗記が増えるかというと、どういうところが暗記かというと、化学物質の色や臭いなど、考えてもわからない知識を知っておく必要があるためです。
加えて、歴史的な工業的製法なども重要ですが、これもほぼ知識の領域だと思います。
無機化学は単独で出されることもありますが、理論化学と絡めて出題されることもよくあります。
なので、やはり理論化学は大切です。
無機化学は、まずは分かり易い参考書で、中級レベルまで最短距離で行くのがオススメです。詳しい参考書や問題集はその後からやればいいと思います。
有機化学
有機化学は理屈と暗記が混在しています。
実際、有機化学も暗記の要素が割とあります。予備校講師によっては大学で習う有機電子論のように電子の流れで有機の化学反応を教えるところもあります。有機化学を理解する助けになるので、学んで絶対損はないのですが、結局その理論で説明できないことに確実に出くわすので、注意が必要です。
有機化学は重要な反応を覚えてしまうのが、やはりどうしても不可欠です。
その際、初心者はまずは『どの反応を覚えるべきか』について本の中で指示してくれている参考書で学ぶのがベターです。
で結局コレ↓(笑)
総合
難関大学であっても基礎が大事です。
化学ができる人とできない人の差というのは、理論化学を理解できているかどうかに尽きるような気がします。
100%わかる必要はないですが、重要なところを理解できていることが重要です。
というか、私も知りません(笑)
理論化学がある程度わかることと、有機化学ができること。
ザックリ言えば、この2つが難関大学の化学で高得点をとるに重要です。
最後に、化学は分子構造と原子・官能基の性質で、物性を予想するのが基本です。
『カルボキシ基がついてるから親水的で酸性だな・・』
『炭化水素基がこんなにたくさんついてるから、疎水的だな。しかも沸点は高いな。』
『この構造、分子間水素結合をとるから高沸点に違いない!』
などが、語れるようになれば上位1%に位置していると思います。