昨今至る所で『受験生のレベルが下がった』と言われます。
私が受験生だった頃からこれは囁かれ続けていましたが、実際はどうなのでしょうか。
Contents
学力低下に対する現場の声
『今でしょ!』で人気の東進国語科講師の林修先生は、東大生のレベルについて『中~下位層は明らかに下がっている』と断言しています。
――では、学力は上がっているんでしょうか?
林:平均でいうと、明らかに落ちています。理由は単純で、少子化で学生の人数は減っているのに、大学の定員はそれほど減っていないから。だから東大でも、下のほうはかなり厳しく、大学側も危機感を持っているようです。
(出典:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20130222-a040/)
理由として林先生は、少子化の影響による高校生の減少と、それにも関わらず東大の定員は一定の3000人であることを挙げられています。
確かに、1990年頃と比べて、今では80万人近く高校生が減少しています。
また、医学部志向が強まり、かつては京大理学部に進学していたような生徒が阪大医学部に進学するようになったことなどにも言及しています。
林:(前略) 例えば、一昔前なら京大の理学部に行っていたような子が、いまは大阪大学の医学部に行くんです。それで国立大の医学部に、優秀な人材が集中するようになった。一方、技術立国日本を支えてきたような理系の学部に、なかなか人材がいかない。国立の医学部に、のきなみ人材が吸い尽くされて、他大学が低下している。これは大問題だと思いますよ。
(出典:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20130222-a040/)
昨今の不況が、日本人の安定志向を促し、『食いっぱぐれ』のない医学部医学科への進学を加速させている側面はあるかもしれません。
とは言え林先生も、『東大の上位10~20%の学力は今も昔も変わらず優秀』であることは認められています。
レベル低下理由への疑問
大学進学率の増加
確かに、少子化により高校生の人数が減っていることはわかるのですが、昔と比べて【大学進学率は増加】しているのもまた事実です。
特に【女子の大学進学率】は目覚ましく上昇しています。
つまり、その分競争率は上がっているはずです。
実際、センター試験受験者数はかつてより増加している
センター試験の受験者数を見ても、その傾向は現れています。
平成2年(1990年)のセンター試験受験者数は40.8万人でしたが、平成30年(2018年)は55.4万人まで増加しています。
(出典:独立行政法人大学入試センター https://www.dnc.ac.jp/center/suii/suii.html)
情報の得やすさ
加えて、ネットの発達により、以前では恵まれた一部の生徒しか得られなかった受験環境が、今では割と平等に全受験生に情報として与えられています。
教育費の増加
また、データはありませんが、子供にかける教育費も上がっていると言われています。
それは一つには、少子化により子供一人当たりにかけることのできる費用が増加したためです。
まとめ
- 東大生をはじめとする難関大学のレベルは低下しているらしい。
- 理由は少子化に加え、医学部志向の増加。
- しかし大学進学率の上昇により受験者数はそれほど減っていないのも事実。
- ネットにより情報は増えたが、スマホ依存などの悪影響も原因か?
私の意見
恐らくですが、確かに言われている通り、学力は低下傾向にあるのだと思います。
大学進学率が増加し、優秀な女子学生が競争に参加するようになったとは言え、少子化という絶対数の減少はやはり質の低下を招いているのは事実だと思います。
しかし、イメージ程大きくは低下していないかも(?)、と推測しています。